用語集

海溝型地震

 海のプレートと陸のプレートが接する海溝付近で発生する地震は一般に海溝型地震と呼ばれます。沈み込む海洋プレートとその上側の陸のプレートとの間で起きるプレート境界地震(プレート間地震)は典型的な海溝型地震です。海溝外側の海洋プレートの曲りに起因するアウターライズ地震も海溝型地震と言えます。海溝型地震により海底が変動すると、その上の海面も上下変動して津波の波源域となり周辺に伝播します。2011年東北地方太平洋沖地震は、長い間蓄えられたひずみエネルギーを一気に解消しようとして、太平洋プレートと陸のプレートの間に発生した巨大な海溝型地震で、大規模な津波を伴いました。近年では、南海トラフ海域でも1944年・1946年の東南海・南海地震、相模湾から相模トラフ海域では1923年の大正関東地震が挙げられます。
 その他、直下型地震と呼ばれる比較的浅い地殻上部直下型地震は1995年の兵庫県南部地震や2016年の熊本地震があげられますが、地殻浅部で発生するために地震動による大きな被害をもたらします。 沈み込むプレート内地震としては1933年の三陸地震があげられますが、特に津波による大きな被害をもたらしました。陸側プレートの浅部で発生する地震波、2016年11月の福島県沖で発生した地震が挙げられます。この地震も2メートル程度の津波を発生させました。

アウターライズ地震

 海洋プレートが陸のプレートの下に沈み込み始める入り口は、日本海溝や南海トラフの最深部のように海底の顕著なくぼみです。その沈み込み口の手前(外側、アウター)で海洋プレートはやや凸状に曲がり、緩やかな隆起地形すなわちアウターライズを形成します。その下で、曲がったプレートに働く力に起因してアウターライズ地震が発生します。大規模なアウターライズ地震の地震動は海洋プレート内を遠方まで伝播し、その後しばらくして津波が押し寄せることがあり注意が必要です。また、海溝内側のプレート境界地震に伴って、アウターライズ地震が起きやすい状態になることがあります。

津波地震

 通常よりゆっくり滑る地震が起こり、地震動が小さいにもかかわらず津波が目立って大きい場合、津波地震と呼ばれます。これは、海底のゆっくりした断層の動きに呼応してその上の海水が移動、海面が上下に変動して津波を効果的に引き起こすためです。このような地震は、地震波から決められる通常のマグニチュードや震度が小さくても、津波が異常に大きくなることがあり注意が必要です。

光海底ケーブル

 光海底ケーブルは、大容量の情報を高速に長距離伝送することに優れ、現在、国際通信回線ネットワークの伝送路の9割以上は光海底ケーブルです。石英ガラスを素材とする複数本の光ファイバを1つの光ケーブルに束ね、伝送途中で減衰する光信号を中継器(光ファイバー増幅器)を連結して信号のレベルを保ち、光波長多重通信により高精度の大量のデータを高速伝送します。